【新唐人2010年8月11日付ニュース】今年の前半、中国の西南部は深刻な干ばつに見舞われましたが、7月以降は一転して、全国各地で大雨が発生。今年の中国は、史上まれに見る水資源の危機に直面しています。専門家は、ここから中国当局の問題を指摘しました。
中国は人口で世界の20%を占めるものの、淡水資源は世界の5~7%しかありません。農業用水や飲み水など、多くは地下水に依存しています。
世界的な学術雑誌『ネイチャー』には、「地下水危機に直面する中国」のタイトルで、7月上旬、北京大学で開かれた「2010国際地下水フォーラム」の模様が載りました。
これによると、中国では都市、農村に関わらず水の危機に直面しています。中国では地下水の量が急激に減っているほか、地下水の汚染も深刻だからです。
中国当局の調査によると、全国660都市の内、3分の2が水資源の危機に直面。中国が今の経済モデルで発展していけば、2030年、中国の水消費量は、7500億立方メートルになり、全国の水資源の9割にまで達します。
また、水の汚染も問題です。地質調査局も、中国の地下水の内、9割が汚染されており、しかも6割は深刻だと認めています。
特に、南部では重金属による地下水汚染が実に深刻です。例えば7月末、洪水の影響を受けて、吉林省の化学工場の倉庫から、大量の有毒物質が松花江(しょうかこう)に流れ込む事故が起こりました。
会議に参加したテキサス州立大学のブリジッド・スキャンロン教授によると、地下水の使用量の増加につれ、1974年から2000年までで、北部の地下水位は毎年1メートルの速度で下がっています。
中国政府の今の経済モデルを、このまま続けていくのは不可能だと指摘しました。
新唐人記者がお送りしました。